結婚

結婚式の二次会にお呼ばれした。

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昨日、一年ぶりにゼミの集まりがあった。

みんなこの1年間で、本当におとなになっていた。

いつまでも子供なのは私だけだった。

お酒を久しぶりにたくさん飲んだ。

いつもよりは多目だった。

それだけだった。

少しいい気分にもなった。

でも、それだけだった。

にも関わらず、彼にラインを送ってしまった。

酔ってるような口ぶりのラインを送った。

かまってちゃんもいいところだ。

しばらくして、既読無視になった。

嫌悪感がすごかった。

また性懲りも無くこんなことして何になる。

もしかしたら彼に少しの優越感でさえ与えてしまっているかもしれない。

飲み会で散々周りに彼の愚痴をこぼしていたのに蓋を開けてみればこの有様で。

好きがバレバレじゃないか。

世界で一番嫌い、なんても言っていた。

彼は、つらい、とだけ返して来た。

返事がこなくなって、自己嫌悪に陥って、お酒と食事による十分すぎる満腹感はどんどん嘔吐感へと変わっていった。

私はいつまでもおこちゃまだ。

変わらない。

みんな結婚も見据えた話をしているのに、私だけ時が止まっているようだった。

何も進んでなくて、むしろ退化しているように感じた。

もうこかのまで来たら赤ん坊のように泣いて泣いて迷惑かけまくってしまいたかった。

いっちょまえなプライドがそれを邪魔した。

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朝、ラインが返ってきていた。

ツイッターで、吐く、と呟いたのを見たのか、

吐いたの?

とだけ来ていた。

少し高揚した。

そのあとインスタを見ると、例の元カノと別のカップルと宅飲みをしていた。

ストーリーに彼の姿が映って、なんとも言えない気持ちになった。

一番最初に別れた時、その元カノとは速攻セックスをしていたのを知っているし、彼女といる事は私にとってすごく不快だった。

何度も見返してしまった。

1週間ぶりの動く彼。

特に久しぶりとも思わないけれど、あの引越しの日からやっと1週間なのか、と言う気持ちだった。

インスタはそのあとすぐに閉じたし、

ラインは未読のままトークを非表示にした。

ついでに彼のラインアカウントも非表示にした。

これから残った荷物を取りに来るときに連絡はしないといけないし、ブロックはしなかった。

それに、消すほどでもないと思ってトークも削除しなかった。

そう、言い訳ばかりしている。

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今日はバイト時代お世話になった人の結婚式の二次会があった。

と、同時に軽音のOB・OGライブがあった。

正直ライブにすごく行きたかった。

引越し以来初めて会う彼に、昔別れたときのように無理矢理キスをされて気持ちを確かめ合う事ができるかもしれない。

なんて、思ってしまっていた。

二次会の途中もずっと時計を確認していた。

行っても何も変わらないだろうことなんて分かっていた。

綺麗なドレスを着て、幸せにそうに笑う先輩は間違いなく、今日、世界で一番綺麗だった。

思わず泣いてしまった。

と、同時に自分の結婚についても考えていた。

私は彼と結婚すると思っていたし、こうやって結婚について考える時も未だに彼が横に並んで笑いかけてくれている情景を思い描く。

もう結婚なんてそこらへんに落ちているような年齢になっていることは明らかだった。

だが自分は誰と結婚するかまったくわからない状況にいた。

つい二ヶ月前までは彼が横にいるとしんじてやまなかったのに、今はそれが叶わない。

私は誰と結婚するんだろう。

私は誰と付き合うんだろう。

私は誰に恋をするのだろう。

まったく見当もつかない。

帰り道、理想の人を聞かれ、

優しくて、笑いの波長が合って、私のことを甘やかしてくれる人

と答えた。

考えているのは彼だった。

彼の好きなところを挙げていた。

彼のことばかり考えていた。

でも、もう、しかたないのかもしれないと思い始めた。

本当に別れてまだ1週間しか経っていない。

そんなにすぐに忘れられるような恋愛はしていなかった証拠だ。

三年も一緒に居たんだ。

たくさん笑ったし、たくさん泣いたし、たくさん怒った。

私たち二人は間違いなく恋をしていた。

一生を共にすることも真剣に考えた。

別れは突然だった。

忘れられなくて普通なのかもしれない。

情があって当たり前なのかもしれない。

こう考えることができたのは、こうやって文字に自分の感情を起こしているからだ。

きっと全ていい方に繋がっている。

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彼が出て行ってから、彼の吸っていたタバコを一箱買った。

1日何本も吸うわけじゃないが、

いつのまにかタバコを吸うのは上手くなっていた。